スプリングフェスティバル ボランティア報告

3月23、24日と30、31日に開催されたスプリングフェスティバルでは、2つの提携団体をゲストを迎え、現地での活動について詳しく聞きました。国内での支援活動と併せて、ご報告いたします。

 


 

インタビュアーは辻野訓司 1%クラブ事務局長

 
 
3月23日 ゲスト
NPO法人 アジア教育友好協会 亀井善太郎 理事長

 
 
―(辻野局長)奈良県の松尾図書館、柴田図書館の映像を見ていただきました。あの地域は少数民族が多い場所だと聞いています。
 

―(亀井理事長)はい。ベトナムは大きな力を持ったキン族が全体の86%を占めていて、残り14%が53の少数民族です。
少数民族の子どもたちは、小学校にあがったときにキン族の言葉であるベトナム語を習いはじめまる。
ここに少数民族の子どもたちは大きな壁にぶつかりますので、図書館のような「本を通して言葉を学べる施設」は大変意義があります。
 
 

―少数民族の子どもたちの暮らしに、男女差はありますか?
 

―兄弟姉妹がいる場合、例えば女の子が弟、妹の面倒を見ることになっています。このとき、実は男の子は遊んでいたりします。
また、親も「女の子は学校に行かなくていい」と考えていますので、小学校までは行ったとしても、そこで終わり。
村の大人たちは、「女の子の幸せは早く結婚して子どもを産むことだ」と考えています。つまり、女の子たちが「私は勉強したい」と言えない環境があります。
そういう村に学校や図書館ができて、エルセラーンの皆さんが現地に行くということは、すごく大きな意味があります。建物ができるということ以上に「世界にはこういうことをしている女性がいる」「この学校・図書館は日本で仕事をしている女の人たちが建てたんだ」という実感をあげられるんです。
そして、子どもは勉強をしていくものだ、と親の意識も変えることができます。
 
 

―ベトナムの学校の制度について少し触れますと、ベトナムでは本校と分校というのがありますね。市街地や幹線道路に近いところに本校があり、山岳部、農村地帯には分校を置き、子どもたちが通いやすくしていました。
このようなやり方が、近年ベトナムでは変わりつつあるそうですね?

 

―はい。政府はできるだけ本校に子どもをたくさん集めようとしています。寄宿舎をつくり、子どもたちは小学校1年生からそこで生活して、学校がない日は家に帰る、という方法です。そこに子どもたちを集めて勉強させるという方式を取り始めています。だから3階建ての立派な校舎ができていたりしますが、残念ながら図書館はありません。
すると、ベトナム語を習ってきていない少数民族の子はドロップアウトしやすくなってしまいます。
図書館があれば、子どもは本や漫画を通して、ベトナム語を身につけていけます。
ですから、今後いっそう、図書館建設の意義が高まっていくような背景があります。
 
 
 
 
 

3月30日 ゲスト
NPO法人 P.U.Sバングラデシュの村をよくする会 岩下八司 代表(写真右) 岩下啓子 副代表(写真左)

 
 

―この2月に開校式を終えた西川中学校、荒谷中学校はどちらも私立の女子中学校ということでした。女子学校というニーズがあるんでしょうか?
 

―(八司代表)バングラデシュはイスラム教の国なので、中学校にもなると基本的には男女別々の学校に通うことが多いんです。
親が女の子に勉強させるとなると、女の子しかいない学校に通わせたがります。そういう親の要望の受け皿になるのが、女子中学校なんです。
 
 

―私立ということですが、通うだけのお金を親は出せるんでしょうか?
 

―日本の感覚で言うと、私立はお金がかかる、公立はお金がかからなくて済む、という対比があると思いますが、バングラデシュではどちらも学費は無料です。
だから通うことはできる。でも、公立でも私立でも、進級していこうとすると、教科書や参考書は自分で買う必要があります。
月収5000円ほどの家庭が多く、ギリギリの生活をしています。
 
 

―子どもたちが受ける進級試験というのは難しい?
 

―(啓子副代表)難しいと思います。毎年、落ちる子がいます。
ですから受かるためには、塾や家庭教師をつけるということがあります。
 

―(八司代表)塾や家庭教師というのも日本とはイメージが違います。
向こうでは学校の先生がアルバイトとして、塾の先生や家庭教師をするんです。
 
 

―上の学年に上がっていくには、やはりある程度お金が必要ということですね。
 

―(啓子副代表)はい。でもそれが家庭の負担になって、親が子どもに勉強させないで労働力にしたり、女の子は結婚させられたりします。
 
 

―バングラデシュでの大学への進学状況はどうでしょうか。
 

―(八司代表)歩いて1時間、2時間くらいのところなら、ありますね。そうやって通っている子もいます。
でも頑張って勉強した子だけが進めるわけじゃなくて、すべてが賄賂の国ですので。
子どもがちょっと先生にお土産を渡すと成績がトップになったりします。いかがなものかと思いますが、それも、現実としてまだあるんです。
 
 
 
 
 

そして、P.U.Sには活動支援としてエルセラーン1%クラブから支援金50万円と、エルセラーン化粧品から「クリーンエアーコスモ」、「テラヘルスシリーズ ブランケットE(2枚)」が贈られました。

 

―(糸谷社長)能登半島地震での被災者支援の活動をしていただく中で、エルセラーンメンバーの安否確認に駆け付けていただくなど、多大なご尽力をいただきました。
また、現地に事務所を構える際には「エルセラーン&P.U.S」と連名で看板を掲げていただいています。それによって、石川や福井のキャプテンさんが現地に行って被災された方のための活動をすることができました。
被災地はまだまだ助けを必要としている方がいらっしゃるとのことですので、活動支援金と、みなさんのお体を支えるエルセラーングッズを贈らせていただきます。
 


 
 

日本で多くの方に寄せていただいたご寄付が、どのように現地で役立っているのか。
詳細な活動報告もエルセラーン フェスティバルの魅力のひとつです。
是非、サマーフェスティバルもお楽しみに!


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