ボランティア

クリスマスフェスティバル ボランティア報告

昨年12月に3回にわたって開催されたエルセラーンクリスマスフェスティバル。
各回で提携団体のひとつNPO法人アジア教育友好協会(以下AEFA)からおひとりずつゲストに迎え、現地での活動を伺いました。


スリランカ 安井小学校、鈴木小学校について
AEFA 亀井善太郎 理事長(7日)


AEFA 佐川旭 理事(21日)




おふたりともスリランカと日本の浅からぬ縁について触れました。

太平洋戦争が終結し、国際社会から日本への対処が注目された1951年の「サンフランシスコ講和会議」。
その会議の場で、後のスリランカ大統領となるジャヤワルダナ氏がおこなったスピーチが、日本の国際社会への復帰の道を開くことになったと言われています。

「憎悪は憎悪によって消え去るものではなく、ただ愛によってのみ消え去るものである」

戦後、経済成長を果たした日本は多額のODA(政府開発援助)によってスリランカのインフラを整備しました。
それによって完成した橋やトンネルなどが、今度はスリランカの紙幣に印刷されることになりました。

そして今、学校建設・開校式という平和への架け橋につながっています。

亀井理事長
「学校、教育というプレゼント以上の贈り物を、みなさんは子どもたちに渡してくれました。それは、現地まで行き、一緒に遊んでくれたことです。あそこまで一緒に遊んでくれた思い出、人と人との交流を、子どもたちは決して忘れません。私たちの勉強を応援してくれる人がいて、しかもそういう人たちが日本から来たんだということを忘れない。鈴木小学校では校庭中をつかって、電車ごっこ、紙風船、折り紙で遊んだという大きな思い出をプレゼントしてくださいました」


鈴木小学校にて




佐川理事
「私は建築家として長年活動していて、AEFA創設時に『建築の専門家』として声をかけていただき、現在理事を務めています。スリランカの安井小学校は、20年前に完成した1階校舎に2階部分を増築して建設しています。この工事を進めるにあたって図面を見ましたが、相当しっかりした構造・工事であることがわかりました。建物の基礎がしっかりしているので増築にも問題がなく、2階部分もかなり分厚いコンクリートで建設されており、耐用年数としては90年が見込めます」

安井小学校





AEFA 金子恵美 専務理事(14日)



ラオスで開館した竹越図書館、若泉図書館に関連して、現地のカウンターパートACD代表 を務めるノンさんの経歴と取組についてご紹介いただきました。


金子理事「ノンさんは医師の資格を持つサラワン県出身の女性。医師免許を取得後、首都ビエンチャンの病院で医師として働き、多くの患者さんを診てきました。一方で自分の故郷、サラワンに目を向けると、基本的な医療・病院がないために亡くなる人、困っている人が昔から多く、それが変わっていない。そんな状況を改善するために、ノンさんは都市部で病気になってしまった人を治療するのではなく、農村部での基本的な衛生指導、病気の予防指導などを始めました」


(写真右端の女性がノンさん)

「また、少数民族の子どもたちの栄養改善のプロジェクトにも取り組んでいます。学校菜園や養魚池を作り、十分な栄養を確保する。また手洗いなどの保健衛生指導も同時におこなう。中でも男子生徒に家庭科や調理実習を教えることが大切だと言います。ラオスの村ではまだお金の使い方を男性が決めているので、家族の食事になる食材を買う時も、男性が栄養のことを知っておくことが子どもの成長に大きく影響します。これから家庭を持つことになる男の子への栄養教育もラオスという国を良くしていくためには不可欠なことです」



ラオスでの学校建設・図書館建設については・・・

金子理事「竹越図書館、若泉図書館があるサラワン県をはじめ、少数民族が住む農村部は、同じ地域に住んでいるが言葉や習慣がまったく違う少数民族同士が暮らしています。そのため、言葉の壁、習慣の壁が原因で、民族同士でトラブルやいさかいになることも。しかし、学校建設プロジェクトは民族の垣根がありません。公用語を勉強したり、違う民族同士が共同で学校建設に協力したり、といったことを通して、民族間の衝突・トラブルなどが融和・緩和していくという意外な効果もありました」

竹越図書館


若泉図書館



3回のフェスティバルの提携団体活動報告の一部をご紹介しました。
ぜひ3月のスプリングフェスティバルにもご参加いただき、直接お話をお聞きください。


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