ボランティア

カンボジアの西の端 岐阜県初の開校式

2019年11月29日、エルセラーン1%クラブと公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(以下SVA)との共同事業によって、トゥロク・サンカエという村で開校式が行われました。
カンボジアのシェムリアップから約4時間半の陸路の先で、岐阜県のボランティアキャプテン古田恵子さんが感動のさなかにいました。家族、仲間とともに過ごした異国での温かな時間を振り返ります。




学校までの道中ではなんと、山が見えました!
平地ばかりのカンボジアでは珍しいんです。
タイとの国境付近まで来た証です。




学校に到着。校門前で記念写真です。
校門、とは言うものの、塀も柵もありません。
ポル・ポト時代、その影響が強かった地域だと言います。





炎天下待っていた生徒たちが出迎えてくれます。
手には色とりどりの造花と布。
SVAの現地職員が生徒に声をかけます。
「ひとりずつ、ゆっくり渡しなさい」





生徒たちの手作りの造花を手に、古田ご夫妻は満面の笑み。





一行がテントに着くと、古田ご夫妻と1%クラブ糸谷代表は僧侶の前へと促されます。
新しい校舎の門出に、仏教国であるカンボジアでは僧侶の読経がつきものです。





生徒280名、教員6名が過ごす新校舎です。





開校式は立派なテントの下です。
日本でも運動会などでは学校にあるテントを使いますが、カンボジアではすべてレンタル。
「セレモニー備品一式レンタル」業者も多いそうです。
ご覧のとおり、電線さえも見えないので…




スピーカーと車載用バッテリーもレンタルです。
式がスムーズに進むよう、この村のできることをしてくれています。





古田さんのごあいさつです。
「今日はみなさんとお話ししたり、一緒に遊んだり、楽しく過ごしたいと思っています」
優しい、温かいお人柄が、そのまま言葉になったごあいさつでした。





州教育局局長もスピーチを。
「あまり長く話すなと言われているので短めに(笑)」
「今回のご支援は校舎のみならずトイレ、貯水タンクも完備。素晴らしい『学校』となりました」
「生徒のみなさん、学校はいつまでもきれいに使ってください。特にゴミは、その辺に捨てるのではなく、ゴミ箱に。毎日気をつけていれば、きっと日本のようにきれいな村、国になります」





式場の近くには、ひとりの女性と作業台が。
ガイドに聞くと「おやつを売っている」とのこと。
サトウキビを絞ってジュースにしたり、お米を揚げてポン菓子のようにしたり。
おやつも自然のものだから、ゴミも自然に還ります。長い間そうして暮らしてきました。
自然に還らないプラスチック製のゴミが増えてきた近年、カンボジアでは衛生教育が急務です。





旧校舎です。
新校舎だけでは全校生徒の授業をカバーできず、まだ使用する、とのこと。
錆びたトタン屋根。
木組みの壁、柱。





旧校舎内部。
床はなく、むき出しの地面です。
壁もところどころ隙間があり、雨の日は床がドロドロになり授業に集中しにくい、とのこと。
こういう環境を整えていくことで、学年ごとの学習達成度合いが上昇します。





式場では古田さんから学用品のプレゼント。
「がんばって勉強してね」





そして新校舎のテープカットです。
カンボジアのテープカットは幅広の布に、参列者が少しずつハサミを入れます。
最後に、式の主役がカットします。
古田さん、慣れている糸谷代表の手元を真剣に見つめます。





古田さんがカットした瞬間、歓声が上がります。
緊張の表情の古田さんも、このあとホッとして笑顔に。





「どうぞみなさん、校舎の中で涼んでください」と促されました。
生徒たちは教室の中で待っているのでしょう。靴がきれいに並べられています。
「教室の中に入るときは脱ぐように指導しています」とのこと。
長く、きれいに使ってもらえそうです。





「ココナッツジュースを渡すのを待つ生徒」の列。
この日の式に向けて、いろんな役目が決められているようです。





男の子は走り回って気楽そうな笑顔を向けます。
やはり女の子の方が、きちんとしているようです…





校舎の外では低学年の生徒たちに、ランチでしょうか、パンがふるまわれていました。
フランス領だったこともあって、カンボジアでパンと言えばフランスパンです。
具も、ジャムもありませんが、子どもたちは嬉しそうにかぶりついていました。





外でいろいろな遊びをしましたが、シャボン玉が人気でした。
風にのって広い校庭を飛んでいく様は、子どもでなくても笑顔で見てしまいます。





お別れはハイタッチで。
ひとりひとりに「ありがとうね」「元気でね」と声をかける古田さん。





古田小学校 トゥロク・サンカエ


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