ボランティア

海外の絵本紹介 第5弾「4匹のともだち」

毎年子どもの日には、海外の絵本を紹介しています。
エルセラーン1%クラブは公益社団法人シャンティ国際ボランティア会との共同事業として、難民キャンプで暮らす子どもたちのための絵本を製作しています。
タイ・ミャンマー難民キャンプは1984年に設置され、今も9万人が暮らしています。
そこで生まれ育った子どもたちは、難民キャンプを出ることなく、祖国のことも知りません。

祖国の文化と教育を守る大切な活動を、エルセラーン1%クラブが支援しています。



あるところに大きな森がありました。
そこには4種類の動物の友達がいました。
九官鳥の夫婦、カラス、カメ、そしてライオンです。
彼らはみな違う種類の動物ですが、互いのことが大好きで、助け合っていました。
ライオンは一番強いにもかかわらず、決して横柄ではなく、いつも友達を助けていました。




あるとき、九官鳥の夫婦が高い木の上に巣をつくりました。
そしてまもなく、子どもが産まれました。




ある日、2人の猟師がこの森に来ました。
空が暗くなってきて、猟師たちは九官鳥の家族がいる高い木の下で休むことにしました。




九官鳥の夫婦は話し声を聞き、木の下を覗きこみました。
するとそこには猟師が2人いるではありませんか。
「猟師たちに見つかって撃たれてしまうかもしれない」
九官鳥の夫婦は身を隠すことにしました。




九官鳥の夫婦が声をひそめて話し合っていると、猟師たちは蚊よけのためにたき火をおこしました。
そして、火のそばでひと眠りすることにしました。




たき火の煙が、九官鳥の家族が住んでいるところまで上ってきました。
煙を吸った九官鳥の子どもたちが、起きて泣き出してしまいました。




猟師たちは鳥の鳴き声を聞くと、意気揚々と起き上がり、木に登って九官鳥を捕まえようと話しました。




猟師たちが火のついた木の棒を持ち出したてきたので、お母さん鳥はあわてました。
そして「カラスに助けを求めに行ってきて!」とお父さん鳥に頼みました。




カラスが九官鳥の家族が住む木に着くと、木を登っていく猟師たちを見つけました。
カラスは羽をバタバタさせて猟師たちに襲いかかりました。
猟師たちはカラスに妨げられて、木の上にたどり着くことができません。
どんどん空が暗くなってきて、カラスは疲れはじめてしまいました。
そこでお母さん鳥は、今度はカメに助けを求めるよう、お父さん鳥に頼みました。




お父さん鳥はカメのところに着いて、自分の家族に何が起こっているのか、すべてを話して聞かせました。
それを聞いたカメはすぐに彼と一緒に助けに行きました。
その途中で、川に降り立ち、泥をつかみました。




カメとお父さん鳥が木に着くと、カメは持ってきた泥で猟師たちの明かりの火を消しました。
猟師たちは何も見えなくなりました。
猟師たちは火をつけましたが、そのたびにカメはその火を消しました。




そこで猟師たちは、鳥の代わりにカメを捕まえようとしました。
カメが大きかったので、いい収獲になると思ったからです。
そこでカメは猟師たちを川に引きずり落としました。
猟師たちは川岸に上がろうともがきました。
そんなやり取りが長く続き、カメは疲れてしまいました。




そこでお母さん鳥は、今度は友達のライオンに助けを求めるようにお父さん鳥に頼みました。
お父さん鳥はライオンのところへ行って、すべて話しました。
それを聞いたライオンは怒ってすぐに友達を助けに向かいました。




到着したライオンは危機に陥っている友達を見つけて、すぐさま2人の猟師を追い払いました。
猟師たちは恐れをなして一目散に逃げていきました。
そして猟師たちはもう二度とこの森に来ようとしませんでした。




九官鳥の家族は、自分たちを助けてくれた友達に感謝しました。
友達である彼らはそれぞれ種類が違う動物ですが、お互いを大事に思っていて、仲間同士で助け合い、困難に打ち勝つことができました。
こうして、彼らは幸せに暮らせるようになりました。




(奥付)


(裏表紙)

エルセラーン1%クラブは、学校建設・図書館建設・図書活動などを支援しています。
その支援金は、ボランティアキャプテン・ボランティアパートナー、関連会社・社員等有志からの寄付によるものです。


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