ボランティア

【ラオス】図書館で学び、アナウンサーへ

エルセラーン1%クラブと提携する公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は、『本』を通して子ども達と教育をつなげる活動を続けています。
今回は、図書館で人生が変わったひとりの女性、スニター・ピマソンさんをご紹介します。

ラオスで流れるテレビ番組、そのニュースキャスターとして活躍するスニターさんは貧しい家の出身でした。
彼女の出自と、彼女の人生を変えた『図書館との出会い』は、エルセラーン1%クラブ発足35年記念冊子「世界に広がれ 白いノート」12ページに書かれています。



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(記念冊子より抜粋)
私が6歳の時、両親は離婚し、祖母が私と5人の兄弟を引きとって育ててくれました。
長女でもありましたし、家計や学校に行くためのお金を稼ぐ手伝いをしなければなりませんでした。7歳の時に小学校に入学しましたが、毎週末は、漬物を家の近所で売る手伝いをしていました。
小学4年生くらいの時のある日、いつものように漬物を売りながら歩いていると、「子どもの家」と書いてある建物の前を通りかかりました。そこは図書館でした。たくさんの絵本が並び、幼かった私はその夢のような光景にとてもびっくりしました。何よりも楽しかったのは、図書館員による読み聞かせの時間でした。

(中略)

もし、10歳のあの時、図書館の前を通ることがなかったら、と思います。図書館が私を育ててくれた、といっても過言ではありません。ニュースキャスターという、テレビやラジオなどこうして公の場で話す仕事を通して、多くの若い世代や子どもたちに良い刺激を与えることができているのも、本の世界のおかげです。
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スニターさんは現在、ラオス国営テレビのアナウンサー、MC、記者、編集者として活動しながら、後進への技術指導や、職業に就くための情報を学生に伝えています。




<<近年のスニターさんの活躍>>
2016年:シャンティ国際ボランティア会の設立35周年式典に参加するために日本を訪問。

2017年:中国文化祭のMCを担当。

2018年:タイ・ベトナムでのラオス観光プロモーションに関するイベント「ラオスの夜」のMCを担当。

2018年:子どものための「子どもの活動育成ハウス」を設立。その後移転し「子どもの活動育成クラブ」に名称を変更。




2019年:10 代の若者に向けて、将来の職業について知ってもらうための書籍「私の職業」を執筆、出版。


2020年:青春ラジオのパーソナリティーを務める。第1子出産。




2020年:新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「子どもの活動育成クラブ」の活動を休止。
2021年末:キッズクラブとして活動を再開、現在に至る。




2021年:ビエンチャンの古代城壁記念館内に子ども向けの読書室を開設。
将来アナウンサーになりたい人のために、MCの仕事についての書籍「MC by ME」を執筆。
2022年 :小学校で読書を推進するための活動を企画・展開



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(記念冊子より抜粋)
残念ながら、私たちの国の多くの図書館は活動も少なく、魅力的ではありません。古くなった建物がそのままにされて汚れていく、子どもたちが足を踏み入れたくなるような装飾も施されていません。図書館員や、教員の人材育成も必要だと思います。大人が図書館を楽しく魅力的な環境に整えなければと思っています。
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スニターさんは、自分が『本』を通して人生を変えることができた、その経験を自分だけのものとして終わらせず、もっと多くの子どもたちの人生を変えられるよう、行動を起こしています。



スニターさんの現在の活躍のルーツは図書館にあります。

エルセラーン1%クラブは、すべての子ども達が自分の可能性を花咲かせ、いきいきと夢を追いかけられる社会を目指して、SVAの図書活動や学校建設事業をはじめとする、教育支援活動を続けています。


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